当社の「強靭なポリペプチド繊維の発明(特許第5540154)」が、公益社団法人発明協会が主催する平成27年度全国発明表彰において、第2表彰区分「21世紀発明賞」を受賞しました。
6月17日(水)ホテルオークラ東京にて表彰式が挙行され、発明協会総裁である常陸宮殿下、同妃殿下のご臨席を賜り、殿下より直々に賞状を拝領しました。

受賞者: 左から佐藤涼太、石川瑞季、関山和秀、関山香里、村田真也
【全国発明表彰について】
全国発明表彰は、大正8年、日本の科学技術の向上と産業の発展に寄与することを目的に始まり、以来、日本を代表する幾多の研究者・科学者の功績を顕彰しているものです。特に、皇室の発明奨励に対する特別の思召により毎年御下賜金を拝受し、最も優れた発明の完成者に恩賜発明賞(第1表彰区分)を贈呈しています。
また今回は、第2表彰区分の対象を「中小・ベンチャー企業、大学及び公設試験研究機関の発明等」に改定した最初の表彰でもあります。
【21世紀発明賞について】
科学技術的に秀でた進歩性を有し、かつ中小・ベンチャー企業、大学及び公設試験研究機関等の研究機関に係る発明における最高位の賞であり、多くの優れた発明等の中から著しく優秀と認められる発明に贈られる賞です。
【発明の概要】
化石資源の枯渇やCO2による地球温暖化が懸念されている昨今、バイオマスを原料とし、軽量性とタフネス(靭性)を併せ持つ、クモの糸に代表されるフィブロイン系ポリペプチド繊維が注目を集めています。
発明者らは、人工的に紡糸されたポリペプチド繊維の延伸工程において、湿熱延伸と乾熱延伸を組み合わせた多段階延伸を行うことにより、繊維の分子配向度が飛躍的に向上することを見出しました。本発明の人造ポリペプチド繊維は、軽量且つ安全性に優れた次世代自動車への応用のほか、次世代防衛・防護装備、医療分野、スポーツ、衣料、建築分野に至るまで、幅広い産業分野での活用が期待されます。
本発明は、天然のクモが行っている複雑で工業化が困難なプロセスによるポリペプチド繊維の高次構造制御をシンプルで工業化可能なプロセスで実現できることを示した点で大変意義深く、持続可能な社会の実現に向け、本発明の果たす役割は大きいものと考えます。
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