当社が参画する、慶應義塾大学 先端生命科学研究所の荒川和晴教授、理化学研究所環境資源科学研究センター バイオ高分子研究チームの沼田圭司チームリーダー（京都大学大学院工学系研究科教授）らの国際共同研究グループが推進するプロジェクトは、クモ糸を構成するタンパク質の遺伝子配列と繊維としての物性情報を網羅的に収集し、データベース化しました。そしてこの度、得られたアミノ酸配列情報と物性データを解析することによって、繊維を構成するクモ糸タンパク質の種類や、それらが含むモチーフが物性に与える影響について調査し、その研究成果を学術論文として科学誌『Science Advances』（10月12日号）にて発表いたしました。また、本プロジェクトにより作成されたデータベースは、Spider Silkome Database として公開されます。

今後、世界的にタンパク質素材のニーズが一層高まっていくことが予想され、より多様かつ日進月歩の素材開発が求められる中、本研究成果ならびに Spider Silkome Database は、未だそのメカニズムの詳細が明らかになっていない天然構造タンパク質の研究基盤となり、さらには素材開発の根幹を成す基礎研究を加速させるものと期待されます。将来的に、学術界、産業界によるオープンイノベーションの創出にも貢献することが予想され、当社としても今後も本研究プロジェクトの中核的役割を担いながら、構造タンパク質素材の研究開発、普及を社会的に推し進めるべく、より一層尽力して参ります。

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