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当社が参画した、特定の運命を持つ細胞を取り出す技術「CloneSelect法」の開発に関するプロジェクトの研究成果が発表されました
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May 30, 2025
研究成果のポイント
- 複数の細胞が混ざる細胞集団から特定の運命を持つ細胞だけを単離するCloneSelect法を開発。
- 従来の方法では、細胞を調べるとその細胞を壊してしまうため、同じ細胞の変化を追跡することが困難だったが、各細胞に固有のDNAバーコードを付けて追跡できるようにすることで、一部を保存、残りは実験に使用すると将来特定の性質を示す細胞を保存している中から見つけることが可能に。
- 幹細胞生物学、再生医療、進化生物学など幅広い分野への貢献に期待。
大阪大学 ヒューマン・メタバース疾患研究拠点(WPI-PRIMe) 創造的破壊生物学分野の谷内江 望 特任教授(ブリティッシュコロンビア大学(UBC) Biomedical Engineering教授および東京大学 先端科学技術研究センター 客員教授)、UBC School of Biomedical Engineeringの石黒 宗 博士研究員、同 修士課程学生(当時)の坂田 莉奈 氏、京都大学 iPS細胞研究所 高島 康弘 教授、当社研究員の石田 花菜らの研究グループは、ヒト、マウス、出芽酵母、大腸菌といったさまざまな細胞集団から特定の運命を辿ることになると考えられる細胞クローンを高精度に取り出す新技術CloneSelect法を開発しました。
CloneSelect法が可能にする「遡る生物学」というコンセプトは、細胞の運命をさかのぼって調べるという新しい考え方です。この技術は、これからの発生生物学、幹細胞生物学、再生医療、進化生物学、遺伝子合成といった幅広い分野への貢献が期待されます。
本研究成果は、2025年5月21日(水)(日本時間)に英国科学誌「Nature Biotechnology」(オンライン)に掲載されました。
本研究は、細胞工学の枠を超えて、素材開発における設計精度や再現性の向上、目的に応じた遺伝子合成の高効率化につながるものであり、当社の繊維事業はもちろん、新たな領域における基盤技術の強化にも資すると考えております。
今後もより有用な技術・素材の開発を通じて、循環型社会の実現に貢献できるよう、取り組みを進めてまいります。詳細はこちら
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